更新! 日レセ学会 理事長からの「レセプト管理士試験」メッセージをお読みください(試験に関する情報あります)(重要!)

 

  はじめまして、理事長の大友と申します。レセプト管理士という資格は、新しい職業資格であり、診療報酬をはじめとする各種制度等を予測し、経営判断できる重要な情報を熟知、活用、提案できる力をもった専門職です。激変していくこれからの時代、情報を握っている者こそ、強い力を持ちます。レセプト管理士になると、管理士会からの情報等により、最新の情報を持つことができます。「診療報酬改定DX」がはじまることで、情報のスピードが加速し、変更事案の発生の都度、改定が増えます。改定タイミングがこれまでのような2年、3年といった間隔ではなくなり、毎年改定、あるいは政策変更の都度即改定、あるいは毎月小改定になっていく即応性が求められる改定が常態化する可能性がありますので、常に改定を追いかける対応が求められるようになるでしょう。デジタル庁では、2024年同時改定から段階的に開始、2030年同時改定で「改定DX」完全スタートと考え準備しています。とりあえず、通常改定は4月ではなくなります。レセプト管理士はこれから必要とされる変化対応の専門家といえます。事務系のみならず、院長、他の医療、福祉専門職の方、医療系企業の多くの方が資格を持つことになると思います。この資格が誕生した理由は、これからの激変する医療、福祉の未来が明確にみえており、未来に必要になる重要な職が今存在していないことが明らかだからです。これからの大変革の時代皆様はどう切り抜けていきますか?変化に対応する専門の部署や専門の職員はいらしゃいますでしょうか?ここに関わる専門職が誕生します。少し、未来をみてみましょう。手作業の仕事はどんどんAIに任せていくことになり減っていき、作業的な仕事をする事務員は減り、逆に管理者や専門家はアメリカや韓国のように逆に多く必要になる時代になります。まず、業務に必要な知識が増え複雑化します。さらに医科、歯科、調剤、介護は連携し、融合化していく時代です。算定知識の横断的広域な知識が要求されてくることでしょう。
  例えば病院で勤務している方はこれまでは医科の算定方法だけを知っていれば、医事コンや電子カルテがあれば問題ありませんでした。しかし、これからはAIに改定情報を教え込み、自施設に対応するアレンジをする新しい業務を行う時代へ移行します。そのためには改定情報の専門知識が重要になっていきます。そして、医科、歯科、調剤、介護が連携するため、幅広い知識が必要となるでしょう。PHRも加わり、予防もさらに追加されるでしょう。台湾ではAIやチェットGPTを用いたレセプトAI業務が始まっており、韓国ではすでに予防として健診を受けた患者は診療費用が割り引き軽減される仕組みで、保健と医療の連携ができております。これによって、健診受診率を引き上げることになります。日本は台湾のようなAIも韓国のような制度へも近づいていく可能性が高い状況であります。レセプトはAIによって、医事課と経理課が統合し、1日毎の経営状況が分析される時代です。さらに連携について言えば、歯科医師や歯科事務は歯科の算定だけではなく、医科や介護などとの連携の知識が求められていくのです。歯周病と特定疾患の密接な関連が明らかになり、複雑な算定が想定されます。介護も調剤も同様に改定の度に連携する方向が強まっていますが、20年後はもっと密接になっていくことは明らかです。その下準備として、電子カルテ等の標準化、共有化もはじまり連携準備が整っていくことでしょう。日本の患者年齢の構成、健康寿命がこの状態から未来を推測すると、算定はどうなっていくと思いますでしょうか?DPC病院においても、歯科の知識や調剤の出来高算定知識、介護の知識は必要になるでしょう。これから何が大変なのか?それは変化の量が多くなること、変化が他分野に渡り連動していること、そして改定スピードの高速化。幅広く複雑である情報の加速的変化に管理者、そして事務員が把握し、対応できなければならないということです。算定作業は確かにICT、AIでコンピュータが処理してくれるのはありがたいことですが、算定の選択、判断、改定の都度考慮していくのは、管理者であり、経営者となります。
  
  厚生労働省では、労働力人口の減少について、各医療機関や福祉施設は深刻な人材不足が生じ、さらに働き方改革も行うため、このままでは経営が厳しくなることを予測しており、ロボット等の導入はもちろん、効率化をすすめるため、医療法人と福祉法人の合併、統合、業務提携にまで言及しています。もうすぐ医療法人の経営情報公開の義務化もスタートしますが、これは骨太の改革から実態把握としての名目的理由の裏に、合併時代を意識した統合政策のひとつになっているのではないかと感じております。「経営実態の透明化の観点から、医療法人・介護サービス事業者の経営状況に関する全国的な電子開示システム等を整備する」というこの医療経営情報はご想像の通り、合併には必要不可欠な情報であるからです。もちろんレセプトデータを含んでいます。さらに、経済産業省の情報から、日本は医療の国際化をアウトバウンドでも探っております。国際化を促そうとすれば、国際対応加算といった加算も多種多様な形で本格的に始まっていく可能性も否定できません。

  重要なことは、今後、診療報酬をはじめとする点数、単位の算定の専門業務をしている方は、ICT、AI化で楽になることを享受する一方で、医科歯科調剤介護が密接になり、連携し、複雑化するため、高度な知識が必要となり経営が難しくなることを意識しているかどうかということです。
  部屋の掃除で例えるなら、自動お掃除ロボットが部屋の掃除を自動的にしてくれても、部屋に次々と脱ぎ捨てた服やごみが散らかっていると掃除ロボットが動きませんので、人手でロボットが動けるよう掃除ロボットのための掃除が必要になりますし、掃除ロボットを動かす設定も必要です。脱ぎ捨てられた服などを4分野の連携、国際化、情報化といったものに置き換えてみて想像してみてください。施設・組織も合併、統合、連携、DX化などが次々と考えなけばならない波が押し寄せてきます。特に制度の変化は大きなものとなりますので、制度への対応、予測が重要になりますが、そういった対応の部署、専門家は職員におりますでしょうか?複雑な算定をするには、確かに優秀なソフトウエアがあれば、コンピュータでOKですが、経営判断は人です。責任を持つのはソフトウエアではなく人です。自分の施設が何をする、何の専門機関であるか、より明確にする必要もあるでしょう。経営管理者、管理者クラス、事務管理者等では総合的な判断、責任を伴う難しい判断が伴い、そのために必要な知識、専門性を迫られることになります。経営者や管理者のような方は、制度やレセプトを理解していなければ、経営ができないため、高度な知識を手に入れる必要が生じるでしょう。
 
 悩ましいこととして、国際化も高齢化も情報化(DX化含む)も、これら3つは確実に同時に進行しているということ。どれかひとつだけ進むということはなく、すべてがほぼ同じタイミングでくるでしょう。このような激変する時代にあれもこれも対応できるのでしょうか?今から様々な知識レベルでの準備をしておかなければ、急には対応できないことが予想されます。これらの負荷は経営、管理事務系に多く発生しうることで、大変なことになるだろうと思います。
  レセプトのマネジメントができる専門家がまさに院内に必要になります。制度の変化は日本の場合、ほとんどが診療報酬等の点数に表現されるからです。そのような存在になるには、2つの道があります。第1には国の目指すグランドデザインと勤務先の経営や国際事情を理解し、制度に強くなるとともに、常に最新の情報を把握し、医科歯科調剤介護の連携スキル、マネジメントや統合、業務提携などに備えて人脈作りと行い、経営分析のデータサイエンススキルを今のうちから上げておくこと。第2には、自らのレセプトの専門性を専門職団体から補強できる特権、つまり専門家団体へ相談できる特権を持つこと。レセプト管理士は、前者は日本レセプト学会で、後者には、レセプト管理士会によって対応していきます。

   付け加えて本学会では、国内の点数変化をみるだけではなく、国際化に着目し、医療のアウトバウンド、インバウンドに絡んだ算定、日本より一歩先をすすんでいるICT,AI、マイナンバーを医療や福祉に導入した国の状況、特に経営管理、事務系の仕事の変化を施設見学等を行い常に意識しております。まだ先のことと思う方は再認識するべきです。日本人の1割が外国人となる予測は今のところ、厚生労働省で2070年としています。これよりもっと早まる可能性があると考えます。海外の制度を理解した人材育成をしなければならないうえ、海外との業務提携など意識しなければなりません。レセプト管理士にはそのチャンスをご提供できます。日本の経済は国内だけでは成り立ちませんが、日本の社会保障も国内だけでは成り立たなくなりました。単に人口が減ることで収益が減るという単純なものではなく、海外と相対的にみる必要があります。中国ではすでにロボットが働いている病院があり、韓国の事務は管理者主体のフォーメーションになっています。海外でのAIの技術はかなり進んでおり、他国から積極的に患者を受け入れています。日本は変わるでしょうか?最近になって電子カルテが進みましたが、医師事務作業に関しては医師の話す音声は正確に文字に変換される技術も生み出されており、統計などはAIが推測する技術はすでに始まっていますので、激変していくことになるでしょう。海外では人ではないAIのような存在に次々と代替されはじめており、消える職業も出ると思います。世界一平均寿命の長い日本の医療を海外で輸出するには、どうしたら良いかといったことは、新成長戦略としてもちろん成り立つわけですが、もし、それを本格的に実践するとしたら、国内の医療福祉現場は国際化を伴って激変することでしょう。ご承知の通り、すでに海外医療機関と提携している医療機関、薬局が増えていますが、大都市だけではなく地方の人口の少ない地域こそ経営が厳しく、国際化、合併、連携など難しい判断のもと取り組みが必要になります。国の方針や今の人口構成からみて、医療福祉全分野は急激な変換の時期に突入しようとしているのです。今のうちから何をしておくべきかなどを本学会の国際学術大会や研修会などを通じて海外情報、国内情報から、様々な情報をくみ取り、日々研究を行っていくべきだと思っております。
  どうか本学会に興味を持っていただき、あるいはレセプト管理士を目指していただき、私たちと共に激変する未来を上手に乗り超えていきませんか?変化をマイナスにとらえるのではなく、変化には多くの経営チャンスがあると思いませんか?
 本資格試験は、医科歯科調剤介護の4分野共通の新しい職業資格であり、検定試験ではありません。レセプトを管理する力を身に着けた最上位クラスの資格試験であり、社会保障費削減の厳しい時代の中で誕生した経営戦略家資格とも言えます。経営・管理する職業名として定着していくことでしょう。いずれレセプト管理士が点数に組み込めるようにしたいと思います。本試験難易度は合格率70%前後が目安ですので、年々厳しくなっております。改定情報の評価と対応(改定による収益の可能性や負担)に関する出題もありますので、この資格を所持している方は、改定情報を議論する力をもっているということになります。専用のテキスト「制度改定読解法への誘い」が発売になりますので、テキストをベースに試験対策を進めていただければと思います。

一般社団法人日本レセプト学会 理事長 大友達也

 

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